site: | osaka |
構造・規模: | 木造平屋建て |
建築: | 118.51 ㎡ |
延床: | 118.51 ㎡ |
竣工: | 2020 年 |
設計施工: | (株)住まい工房 集 |
photos: | 岡田大次郎 |
南大阪で見られる錣屋根(しころやね)が特徴である建物の耐震改修工事である。先代がこだわってつくった家を引き継ぐにあたり、地 震による安全性の確保と断熱性能の向上。耐震補強では、限界耐力計算を用いて、耐震リングを柱・梁の仕口に取り付ける方法を採用した。 一般耐震補強では筋交いや構造用合板などで補強するため、閉塞的になりがちだが、柱や差鴨居を化粧材として見せることが叶い、開放的 な空間を実現した。断熱性能の向上では、床下にウレタン吹き付け断熱を採用し、天井はロックウールの断熱材を敷き込んだ。また、外気 と接する居室では高性能サッシへの交換やインナーサッシの追加を行った。他には、この計算方法によって土壁が残り、新素材を漆喰仕上 げに変えたことで、以前よりも室内環境が向上した。この建物は北側にLDK、寝室、水まわりなどの生活空間が配置されているため、暗 いのが問題であったが、リビングの横にサンルーム、キッチンの天井にはトップライトを設け、北側の安定した光を生活空間に取り入れた。 この改修工事で姿を現した差鴨居や柱が、お施主様が集めてきた調度品や家具と調和し、より引き立つ空間となった。